こんにちは、Tomoko です。
deviation list (デビエーションリスト) って何?
どうやって作ればいいんだろう?
こんな疑問にお答えします。
deviation list:デビエーションリスト。顧客要求仕様とサプライヤが実現できる仕様をすり合わせをするために作成したリストのこと。
参考に deviation list を作りました。
リンク先より無料ダウンロードできます。
≫ Deviation list をダウンロードする
deviation list (デビエーションリスト)とは?
顧客要求仕様とサプライヤが実現できる仕様の
すり合わせをするために使用されます。
「すり合わせ」をもう少し詳しく説明します。
お客さんの要求をリストにし
サプライヤがそれぞれの要求に対して
「対応できる」「対応できない」を返答します。
お客さんがそれに対して何らかの返答をくれます。
サプライヤが「満足できない」と返事をする場合は
現時点では明確に返事が出来ない理由と
どんな風に実現していくかを記したり
「こういう風にしてくれたら実現できるよ」と提案したり
「この要求はこういう理由でできません。」
「この要求はうちらの製品には該当しないから適用外にして~」
と返事をしたりするコミュニケーションの場としても使用され
実現可能な仕様を決定していきます。
また、見方を変えると
どんな風に仕様を固めていくかの過程が記録される資料でもあります。

deviation list (デビエーションリスト)で
技術的な細かいコミュニケーションをするのは難しいので
そのような内容は個別に資料を作ってやり取りしていく必要があります。
こちらの記事でdeviation (デビエーション)についても解説しているので
「Deviation (デビエーション)ってなに?」という方はこちらも読んでみてください。
≫ deviation (デビエーション) とは?

deviation list (デビエーションリスト) の作り方

ここからは
私だったらこう作るというお話をしていきます。
会社ですでに使われているフォーマットがある場合や
プロジェクトチームもしくは上司の考えもあると思うので
その辺も頭に入れておくといいかもしれません。
説明の順番は表に振られた番号どおりです。
構成1:要求仕様番号

1の行には要求番号を記載します。
ここは、deviation list (デビエーションリスト) を作成した側が
どんな風に deviation list (デビエーションリスト) を管理・運用していくか
によって要否が分かれたり
もしくは、別の項目を入れた方がいい場合もあるかもしれません。
構成2: 規格番号

2の行には1の行に記載した要求が記載された規格番号を記載します。
これでdeviation list (デビエーションリスト)を見た人が
どの要求がどの規格に含まれているか探せるようになります。
構成3: 要求・規格の概要

3の行には1の列に記載した要求がどのような要求なのか概要を記載します。
「要求番号が書いてあるんだから要らないのでは?」
と思われるかもしれませんが、
リストを見る側にとっても作成側にとっても意外と大事な作業だと思います。
例えば、読者様がメーカーに向けてdeviation list (デビエーションリスト)を
作成しているとします。
仕様は決めるのに時間をかけ過ぎたくないはずなので
早めに回答が欲しいですよね。
しかし、要求番号からいちいち規格に飛ばないと
内容が分からないリストになっていると
どんな要求かを確認するだけでメーカは
かなりの時間をかけることになってしまいます。
仮に回答が返ってきて
作成者やそのプロジェクトに関わる人たちが
その deviation list (デビエーションリスト) を見たときに
「この要求内容ってなんだっけ?」という状況になってしまうと
社内でも要求内容の確認に時間がかかって仕方ありません。
シンプルな製品だったら覚えられるかもしれませんが
そうでない製品もあると思いますので
すべてのケースに当てはまることではないかもしれません。
でも、要求が多くなるのであれば概要を載せておくのが
よいかもしれません。
構成4: 規格バージョン

規格は更新されることがあります。
更新履歴がわかるようにバージョンで管理をしますよね。
そのバージョンも記しておきましょう。
規格を更新したのに
それが相手に伝わらっておらず
古いバージョンに準拠してしまう可能性があります。
また、deviation list (デビエーションリスト) を作成した側も
すべての規格の更新を追えているとは限りません。
両者のために記録しておくのが良いかと思います。
構成5: サプライヤ回答

5の行はサプライヤの回答欄です。
左側の Accepted, Not accepted と書いてある行は
プルダウンで選択式にしておきます。
- Accepted = 対応できる の意
- Not accepted = 対応できない の意
どちらを選んだかで
自動的にセルの色を塗りつぶせるようにしておけば
あとで一目で「対応できる」「対応できない」
がわかるようにしておけます。
右側の行はサプライヤが自由にコメントできるようにしておきます。
左側で Not accepted を選択した理由を記載できるようにし
背景や理由を伝える場にします。

構成6: 顧客回答

6の行では、5の行でサプライヤが回答に対して
顧客が回答します。
左側のOK, Under discussion, Deviationと書いてある行は
プルダウンで選択式にしておきます。
- OK = 仕様決定
- Under discussion = 仕様はまだ未決定で、議論中・検討中
- Deviation 仕様決定、けど元の要求とは違う(逸脱している)
どれを選んだかで自動的にセルの色を塗りつぶせるようにしておけば
あとで一目で「仕様が固まった」「仕様が議論中」
がわかるようにしておけます。
サプライヤ側としてdeviation list (デビエーションリスト)を作るにしても
顧客側としてdeviation list (デビエーションリスト)を作るにしても
要求を確認して議論した末に
どのような形でその要求に合意して収束したかを
残しておきたいと思います。
なので、Ok, Not OK, Deviationと3つの表現にしています。
右側は、顧客が自由にコメントできる行にしておきます。
サプライヤ回答に対して
どのように考えているのかを記しておけるようにしておきます。
何かしらというのは
「顧客側で何かしら対応中だよ」
「この要求は緩和できないよ」
「今後こういう風に進めていくなら考えるよ」
などの返答です。
多くの要求仕様があると思うので
それらを管理するにはエクセルの色んな機能を使えると
管理が楽になると思います。
個人的には最低限プルダウンや自動色付けができるといいかと思います。
≫ プルダウンメニュー(ドロップダウンリスト)の設定方法
≫セルの自動色付けの設定方法


参考に deviation list を作りました。
リンク先より無料ダウンロードできます。
まとめ
deviation list:デビエーションリスト。顧客要求仕様とサプライヤが実現できる仕様をすり合わせをするために作成したリストのこと。
ちなみに、技術仕様だけでなく
品質管理でも似た資料が存在するのに気づいたことがあります。
もし、この記事を読んで
「手元にあるあの資料ってもしかしてdeviation list (デビエーションリスト)なのかも」
と心当たりがある方は、その資料を参考にしてみるのもありかもしれません。
今回はこれでおしまいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。