こんにちは、ともこです。
機械設計の職場で翻訳通訳および技術アシスタントとして働いています。

こんな疑問にお答えします。
結論、「その時置かれている状況による」
なのですが、これでは答えになっていないので
本記事では以下2つの状況から解説していきます。
- 設計組織の中で自分の役職や立場はどのへんか
- 国内のお客さん or 海外のお客さん、どちらとやり取りするか
※個人の経験からの考えになりますので
あくまでも参考までになればと思います。
Contents
械設計者に必要な英語のレベル
以下2点を順番に解説します。
- 設計組織の中で自分の役職や立場はどのへんか
- 国内のお客さん or 海外のお客さん、どちらとやり取りするか
それぞれのレベルで
「これくらいのことが英語で出来たら不便しないだろうな」
というスキルにも触れていきます。
設計組織の中で自分の役職や立場はどのへんか
設計組織の中で自分の役職や立場による英語力
と書きましたが、本記事では下記のように分類します。

若手設計者
✅入社3年以内
✅3Dデータや2D図面を作成
✅部品メーカーとやり取りする資料を作成
✅先輩に指導を受けながら仕事する
中堅設計者
✅ひとりで仕事ができる
✅若手設計者の教育・指導
✅チームをまとめる(チームリーダー)
✅提案資料などのお客さんへの提出資料を作成
✅Web会議や訪問でお客さんと話をする
ベテラン設計者 or 設計の管理職
✅プロジェクトをマネージメント
✅お客さんとやり取りして仕様決定する
✅Web会議や訪問でお客さんと話をする
全員はこの分類に当てはまらないと思います。
「設計業務に携わり始めてから今、ご自分がどんな仕事をしているか」
という観点でも判断してみてください。
例えば、入社3年目でも入社6年目でも
設計業務に携わり始めて3年目であれば2人とも若手設計です。
若手設計者に必要な英語のレベル

若手設計者は、下の2点が出来ればOKだと思います。
- 技術の知識とそれが日本語と英語それぞれ何と呼ばれるか頭の中でつながっている
- 中学英語の文法を使って図面や部品メーカーに提出する資料を作成できる
01 | 技術の知識とそれが日本語と英語それぞれ何と呼ばれるか頭の中でつながっている
技術の知識と、その知識が日本語と英語でそれぞれ何というかが
頭の中でつながっていればOKです。
「公差」を例にしてみます。
日本語でいう「公差」とは「許容範囲のこと」で、
英語では「tolerance」という。
あとで解説しますが、
部品や部品の各製造工程についても
日本語と英語が頭の中でつなげる意識をしておくといいと思います。
02 | 中学英語の文法を使って図面や部品メーカーに提出する資料を作成できる
図面や部品メーカーへの技術的内容の資料を作成するのに
特別複雑な文法は必要ありません。
現在形、過去形、未来形、比較級、
要望を伝えられる表現(want/would like to)が
使えれば最低限のコミュニケーションはできます。
図面だと会社ごとにフォーマットがある場合もあります。
若手設計者に必要な英語のレベルを資格でいうと
- 英語検定3級
- TOEIC200~300点
- 技術英語検定3級
くらいのレベルと思います。
中堅設計者に必要な英語のレベル

上記で解説した若手設計者に望ましい英語のレベル
- 技術の知識とそれが日本語と英語でそれぞれ何と呼ばれるか頭の中でつながる
- 中学英語の文法を使って図面や部品メーカーに提出する資料を作成できる
に加えて - お客さんへの提出資料を英語で作成できる
- 部品メーカーと英語メールでやり取りできる
- Web会議に出席して何となく話し合われている内容がわかる
が出来ると大きな不便がないと思います。
03 | お客さんへの提出資料を英語で作成できる
中堅設計者になるとお客さんに提出する提案資料等も
準備することが増えるのではないでしょうか?
あとで上司や先輩が資料を確認するにしても
ある程度英語で資料を作れるといいと思います。
部品メーカーとやりとりするよりは難易度は高くなる感覚です。
レベルの高い技術的ないようでも正確に伝わるような英語のスキルが必要です。
04 | 部品メーカーとメールでやり取りできる
私がよく相談を受けるのがメールの文です。
特に苦戦している印象を受けるのが
ニュアンスや気持ちを伝える表現が思いつかないという点です。
図面や簡単な資料に使う技術英語は
感情の無い淡々とした文で良いですが
メールで気持ちを伝えることを考えると
日常会話・ビジネス英語の表現を学ぶ必要があります。
「本当にありがとうございます!」や「どうかお願いします!」
のような強い感謝や要望なども設計者が苦手な表現である印象です。
ここで1点覚えておいてほしいのが「~してください」(要望)の表現です。
お願いする際に使ってしまいがちなのが
「Please ~.」ですが、多用すると失礼になります。
代わりにCan/could you ~?を使うのがおすすめです。
海外のグループ会社とコミュニケーションが必要な場合も同じです。
しかし、グループ会社であればお互いの仕事への理解度が合っていることが多いので、
英語が苦手でも部品メーカーと比べて意思疎通しやすいです。
05 | Web会議に出席したとき話合っている内容がなんとなくわかる
中堅設計者になるとチームをまとめていく必要が出てくるので
会議に出席する機会が出てくる思います。
英語の会話に慣れるという意味でも
英語の会話を集中して聞いたり
簡単な受け答えを練習したり
する気持ちで発言してみたりするのも良いと思います。
練習できるポイントは
1文程度のあいさつや日程など
難易度の低い受け答え・簡単な技術についての受け答えです。
中堅設計者に必要な英語のレベルを資格でいうと
- 英語検定2級
- TOEIC 500~600点
- 技術英語検定2級
くらいのレベルです。
ベテラン設計者、設計の管理職に必要な英語のレベル

上記で解説した、若手設計者・中堅設計者に望ましい英語のレベル
- 技術の知識とそれが日本語と英語でそれぞれ何と呼ばれるか頭の中でつながる
- 中学英語の文法がわかる
- お客さんへの提出資料を英語で作成できる
- 部品メーカーとメールでやり取りできる
- Web会議に出席して何となく話し合われている内容がわかる
に加えて、 - こちらの意図を伝えることが出来る、相手の意図が分かる
- タイムリーに英語で会話・議論できる、相手に納得してもらう説明ができる
が必要と思います。
06 | こちらの意図を伝えることが出来る、相手の意図が分かる
淡々とした受け答えから、感情のある表現ができたり、
相手の感情が分かったりする必要があると思います。
技術的内容以外に、”感触”というものも
捉える必要性が出てくるからです。
例えば、お客さんに「あることやってほしい」
と要求されているとします。
しかし、この要求に答えるにも、
まずお客さんがこの要求を出している背景を知らないと
要求に答える手段も変わってくるからです。
07 | タイムリーに英語で会話・議論できる、相手に納得してもらう説明ができる
受け答えがスムーズであることが好ましいと思います。
海外の方すべてとは限らないかもしれませんが、
海外の方は沈黙を好みません。
沈黙が長かったり多かったりすると
お客さんへの印象は悪くなってしまいます。
お客さんでなくても海外拠点の方と話をする時も一緒です。
そして、国が違うということは物事の理解の仕方も異なります。
日本人同士で簡単に通じることも、
外国の方にはなかなか伝わらないこともあります。
そんな時に、色々な角度から説明の仕方をする必要があります。
これは日本人同士でも同じですが、
説明の仕方が複数ある=英語での説明も複数ある。
つまり英語でその複数の説明が出来る
英語のスキルが必要となります。
文法、単語、表現、
これらを駆使するスキルがあげられると思います。
これができないとこちらの意思を伝えるのが
難しくなる場合があります。
ベテラン設計者、設計の管理職に必要な英語のレベルを資格でいうと
- 英語検定1級
- TOEIC 800点以上
- 技術英語検定2級以上
くらいのレベルです。
国内のお客さんor海外のお客さんによる英語力
国内のお客さん
結論、上記で解説した
若手設計者~中堅設計者に好ましい英語のレベル
が必要と考えて良いと思います。
国内のお客さんとお仕事する立ち位置であれば、
英語の読み書きができれば十分です。
お客さんとの口頭でのコミュニケーションも
日本人同士なのにわざわざ英語を使用することはないので
スピーキングはほぼ必要ないと考えてよいでしょう。
しかし、資料や文、図面などには
英語で記載をすることも多いと思いますので、
最低限の英語は必要です。
海外のお客さん
結論、上記で解説した
ベテラン設計者or設計の管理職に好ましい英語のレベルが
必要と考えて良いと思います。
ライティングとリーディングについては
国内のお客さんに対するよりも高いスキルが必要となります。
海外の拠点やお客さんとお仕事する立場であれば
場合によってはリスニングとスピーキングも必要です。
また、相手に理解してもらったり納得してもらったり
できる英語力が必要となります。
まとめ
設計者に必要な英語のレベルについて解説しました。
若手設計者に好ましい英語のレベルは
- 技術の知識とそれが日本語と英語でそれぞれ何と呼ばれるか頭の中でつながる
- 中学英語の文法がわかる
です。
中堅設計者に好ましい英語のレベルは、
上記2点に加えて
- お客さんへの提出資料を英語で作成できる
- 部品メーカーとメールでやり取りできる
- Web会議に出席して何となく話し合われている内容がわかる
です。
ベテラン設計者or設計の管理職に好ましい英語のレベルは
上記5点に加えて
- こちらの意図を伝えることが出来る、相手の意図が分かる
- タイムリーに英語で会話・議論できる、相手に納得してもらう説明ができる
です。
読者様の立場や状況によって
判断が難しい場合もあるかもしれませんが
参考になれば幸いです。
今回はこれでおしまいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。