翻訳・通訳

機械翻訳の校正依頼が来た!

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こんにちは、Tomoko です。

機械翻訳の校正依頼が来たよ!

機械翻訳で日本語から英語に訳した資料を
校正してほしいという依頼がきました。

話を聞くとそこそこ精度の高い翻訳ソフトか
サービスを利用したようでした。

果たしてどんなものだったのか
記録を残しておこうと思います。

名詞の訳がおかしい

おかしいと思った名詞の訳は主に3つです。

  • 人の名前
  • 省略された会社や組織名
  • 業界用語

この3つは目を皿のようにして間違いがないか
確認する必要がありました。

人の名前って人間でも難しい時があるので
機械翻訳が間違ってもしょうがないかな。

同じ漢字を使っていても読み方が違ったりもしますし。

会社名や組織名も、その組織の目的で名前を決めていて
一般的にはあまり聞かない組織名があるので
機械翻訳には難しいのかなと思いました。

業界用語も業界のことを知らないと訳せない
言葉がでてくるので、業界用語も機械翻訳には
訳すのが難しいようでした。

原文の日本語が変だと機械翻訳された英語もおかしい

「ん?この英文、何を言ってるのかわからない」

こんな時に原文を見ると
原文である日本語がおかしなことがよくありました。

1つは、「主語がない」です。
日本語を使うときに無意識にやってしまいがちですが
主語を原文から汲み取って補うということをしました。

2つめは、「意図が明確でない」です。
正確には原文である日本語を読むと意図がわかる文でも
機械翻訳では意図を汲み取ることができないので
英文になった時に意図が伝わらない文になってしまっている
というようなケースが見られました。

翻訳者の仕事の未来は?

この仕事で翻訳者の仕事ってどうなるのかな
ってことも思わず考えてしまいました。

翻訳者デビューのハードルは低くなる

機械翻訳が進むと「手動で全文を短納期で訳す」
ということがなくなるので高い翻訳スキルを持っていなくても
翻訳の仕事ができてしまうと思います。

これはフリーランスに限った話ではなく
インハウス翻訳者にもあてはまります。

社内でもGoogle翻訳等を使って
海外スタッフとやり取りを頑張っている人がたくさんいるので
すでに翻訳は誰でも出来る時代になっています。

こうなってくると「翻訳者は必要なのか?」
とすら思ってしまうときもあります。

プロとして食べていくハードルは高くなる

もちろん大事な場面では
Google翻訳に頼りまくりではいけないので
翻訳者が必要な場面は出てくると思います。

しかし、機械翻訳で出来るレベルの場面には呼ばれず
もっと高度なコミュニケーションの場に
呼ばれるようになるのだと思います。

そこに求められるのは、たぶんこんな能力…

コミュニケーション力 x 翻訳(・通訳)スキル x 専門知識

翻訳・通訳のスキルを磨くにはにはある程度の場数が必要ですが
場数を踏むにはやはりある程度の期間が必要です。

専門知識も一朝一夕に身につくものではなく
翻訳・通訳の場数を踏むたびに少しずつ学んでいくことになります。

(特に文系出身の方はそうなるかと)

全体のスキルを養っていくのには場数が必要だけど
機械翻訳が普及すると翻訳された訳を校正するような
簡単(?)な仕事ばかりが市場に出回ると

単価が低くて生活が潤うまでに時間がかかって
プロを目指す途中であきらめる人も出てきそうだし

一から翻訳することが必要だった時代に比べたら
翻訳をする量は減ってしまうので
スキルアップできるのかどうか疑問です。

そうなると、

コミュニケーション力 x 翻訳(・通訳)スキル x 専門知識

これらのスキルが合わさった
継続的に仕事のあるプロとしてやっていける人って
かなり少なくなるんじゃないかって思います。

翻訳の仕事はつまらなくなる

今回の仕事を通して思ったことは

「翻訳の仕事、つまらなくなったなー」

です。

だって最初からほぼ出来上がった訳文を渡されるんですもん。

ピタッとはまるような訳文を完成したとき、
全体の流れを見ても美しく文章を訳せたとき、
原文の書き手の意図を組んで訳せたのを感じたとき、
それらのアウトプットを通して依頼者が喜んでくれたとき、

個人的に「翻訳の仕事が楽しい!!」と思うのはこんな時です。

さて、今回の仕事は、
人の名前とか組織の名前とか直して
主語がない文を直して…

って、めっちゃやりがい無くなってる…..!!!!

もちろん、書き手の意図を汲み取る必要がある
校正は楽しかったけど

機械翻訳がほぼ訳したあとだから
つまらない人の名前とかの
校正の割合が多くなったような気がします。

機械翻訳やAI翻訳とうまく付き合っていく必要がある

愚痴ってしまいましたが、機械翻訳やAI翻訳と比べると
人間はどうしてもスピードには負けてしまうので

機械翻訳やAI翻訳と
付き合っていかないといけないなぁと思います。

というか私自身、
機械翻訳にはすでにとてもお世話になっています。

だって翻訳の納期が短くて
使わないと間に合わないんです(;´・ω・)

(製品を作る期間が短くなっているので必然ですね)

いい感じの訳も出してくれるので
焦ってるときはすごく助かっています。

正直手放せないです。

さいごに

最近になって今までよりも
「自動/機械翻訳がうんたらかんたら~」
という話を耳にするようになりました。

実際、積極的に活用されるようになってきていますが

翻訳する過程で書き手の意図を組む部分は
まだ弱く人が補ってあげることが必要と感じました。

なので、今日明日翻訳者が不要になるということはないでしょうが
うかうかしていると翻訳者が不要になる場面は多くなりそうです。

翻訳って面白い仕事ですが
すべての翻訳の仕事が面白いものではなくなりつつある
ことを感じたのが一番衝撃が走りました。

みなさんは機械翻訳の校正依頼が来たときとか
機械翻訳との付き合い方についてどう考えていますか?